小説本文に良さそうなフォントを集めました。

小説本を作ってるみなさまこんにちは!
小説本、作ってますかー!

今回は「明朝体フリーフォント片っ端から集めた」の中から、「小説本文向け」や「小説本文によく使われているフォント」を抜粋して記事にまとめました!
もちろんフリーフォントも有償フォントもどちらもピックアップしています!

小説本文にどのフォントを使えばいいのか分からない………とお悩み中の方の参考になれば幸いです!
また、フォント関連の参考情報も、記事の後ろに載せてるのでそちらも参考になればと思います!

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目次 [目次を閉じる]

小説本文向けフリーフォント

「小説本文向け」「文芸向け」と明記されているフリーフォントが登場したのはここ数年のこと。
私の知る限りでは、2017年に源ノ明朝が登場してからのことなのです。
あれから4年、源ノ明朝派生も含め、数々の明朝体フリーフォントがリリースされてきました。
その中でも、「小説本文向け」と明記されているフォントや、私個人的に小説本文用の候補となるフォントを挙げています。

源暎こぶり明朝

フォントタイプ:ttf
掲載Ver:6.1
派生元:源ノ明朝
【フリーフォント】源暎こぶり明朝 – 御琥祢屋 

源ノ明朝がリリースされてすぐに公開された、はじめての「文芸向け」フリーフォント。
「これはフリーフォントもバンバン出るし、小説本文向けも絶対出るやろ…」と思っていましたら本当にすぐ来て驚いたものです。
見よ、この速さを!

源ノ明朝:2017年4月4日
源暎こぶり明朝:2017年5月26日

フォントそのものは「読書の邪魔をしない、空気のような、無味無臭なフォント」を目標に作成されています。
また、独自実装としてフォントの「私用領域」に濁点付きの仮名が実装されているため、えっちな小説でも御用達。
※独自実装ながら、後述のしっぽり明朝やネオ濁点明朝も同じエリアに文字割り当てがされているため互換性アリ

小説本文用としてはおそらく最も有名なフリーフォントである、濁点付き仮名が実装されている、等々の理由から利用者多数。
どんな内容の本文にもきっと合うはず。

源暎ちくご明朝

フォントタイプ:ttf
掲載Ver:2.1
派生元:源ノ明朝
【フリーフォント】源暎ちくご明朝 – 御琥祢屋 

電撃で育った作者が、ラノベ的だと感じる明朝体です。
「同人小説の為の明朝体比較 Ver.2019」より

ウオオオオオオオオオオオオオオオオオ
ラノベフォントじゃああああああ!!!!!

…取り乱しました。
私も電撃文庫で育った人間なので、源暎ちくご明朝のデザインにはテンションを上げざるを得ません。
といった感じの、ラノベ的フォントです! 細かいことは紹介ページを読んで下さい!(投
私からは「ラノベっぽくするなら源暎ちくご明朝を推すぞ!」と言います。

源暎こぶり明朝と同じく、私用領域に濁点付き仮名が実装されていますので、えっちな小説でも大丈夫です。(大丈夫とは?)

しっぽり明朝

フォントタイプ:ttf、otf
掲載Ver:3.110(ベータ版otf)
派生元:源ノ明朝→源流明朝
Google Fonts 
しっぽり明朝 

物静かで上品で、見ているだけでうっとりするような明朝体を目指して制作した、オールドスタイル明朝体フリーフォントです。
紹介ページより

v2の時から綺麗なフォントとしてちょこちょこ名を見ていたしっぽり明朝が、v3にバージョンアップしてパワーアップ!
僭越ながら私もベータテストをさせていただきまして、単体で紹介記事を書いてしまいました。
なので詳しくはそちらをご覧ください。

Google Fontsでダウンロードしたフォントに不具合がある場合は、しっぽり明朝紹介ページでベータ版フォントを配布しているので、そちらを使用してみましょう。

ところでこのフォント「≒」入ってないや(□に×になってるとこ、≒です)
※横書きよりは縦書きで使うことを強く想定してるのであまり要らない記号ではある

ネオ濁点明朝

フォントタイプ:ttf
掲載Ver:2018.11.22.001
派生元:IPAex明朝
ネオ濁点明朝 – ninoashi – BOOTH 

「小説本文に使いたい」というよりは「えっち小説に使いたい」と言った方がいいかもしれない。
フォントデザイン自体はIPAex明朝と全く一緒ですが、源暎こぶり・ちくご明朝やしっぽり明朝と同じく私用領域に濁点付き仮名が実装されています。
というか濁点付き仮名の為に使うフォントです。IPAex明朝自体はそこまで小説本文向けってほどでもないので。

さらら明朝

フォントタイプ:otf
掲載Ver:1.003
派生元:源ノ明朝→霧明朝
5-C3. さらら明朝(明朝体フォント) 

「さらら明朝」は、「錦明朝かな」の仮名グリフと「霧明朝」に入っている仮名以外のグリフとを組み合わせたフォントです。
霧明朝の仮名グリフを錦かなに入れ替えたものとも言い表せますが、CMapやGSUBなどは霧明朝のものを継承せず、錦源明朝用のものを使用しています。
配布ページより

三番明朝・錦源明朝の作者によるフォント。
初リリースが2021年8月と、記事公開時点ではかなり「最近」のフォントです。

「錦明朝かな」は「東京築地活版製造所(大正四)『五號明朝活字總數見本 全』」を参考に作られています。
いわゆる「オールドタイプ」はこの「築地五号」を参考に作られているものも数多く存在し、上で紹介した「しっぽり明朝」もそのひとつです。

錦源明朝はほぼLight相当、つまりかなり細身でしたので、「もしかしたら入稿先によっては線が飛んでしまうのではないか…?」などと思っておりましたら、同じ「錦明朝かな」入りの複数ウェイトフォントが同作者から登場しました。
錦源明朝とさらら明朝、および派生元の霧明朝との違いは、作者さんのサイトの各フォント説明ページで読んでください。(結構多いので)

Zen Old Mincho

フォントタイプ:ttf
掲載Ver:1.000
Google Fonts 

元々はエイワンという会社から販売されていた有料フォント。
小説本では良く利用される「オールドタイプ」の明朝体です。

このフォントはIPA明朝や源ノ明朝の派生ではないので、漢字部分もオリジナルです。
つまり、源ノ明朝以外の漢字の選択肢が出来たって感じです。漢字だけに。
しかもGoogle Fontsに収録されたということはOFLですので、今後このフォント派生のフリーフォントが出てくるかもしれませんね!!

1点だけ注意ですが、このフォントにはWindowsのダッシュ(―)ことホリゾンタルバーが入っていません。
ホリゾンタルバーを入れるとそこだけ空白になりますので、別のフォントに置き換えて使いましょう。
Apple系OSのダッシュ(—)ことemダッシュは出ます。

OS搭載! で使いやすいフォント

WindowsやMac、iOSなどに搭載されているフォントです。
OSごとに搭載されているフォントは異なるものの、ダウンロード>インストールの手間がなく、すぐに使えるのが特徴。
搭載されていないOS向けに、導入方法についても記載しています。

游明朝

フォントタイプ:ttf(Win)
字游工房|JIYUKOBO | 游明朝体ファミリー 

游明朝体は「時代小説が組めるような明朝体」をキーワードに、単行本や文庫などで小説を組むことを目的に開発した明朝体です。
公式サイトより

Windows、Mac両方に搭載されているフォント。但し搭載ウェイトが異なる。
WindowsではLight、Regular(無印)、DemiBold
MacではMedium、DemiBold(DB)、ExtraBold(EB)
よって、互換性(?)があるのはDemiBoldのみ。何のために同名フォント入れてんだ

Regularでもかなり細めのフォントなので、小説用としてはRegular、Regularでも細いと思ったらMedium――と言いたいところだがWinにはMediumがなく、MacにはRegularがない――かゆいところに手が届かん……。
印刷所によってはWordデータ(docx)を游明朝のまま入稿出来るところもあるので、PDF化とか良く分からない! って人にもおすすめ。

元々はヒラギノ明朝(後述)と同じ字游工房制作の有償フォントで、お値段33,000円(1ウェイト/designpocket価格)
購入以外では、Adobe Fonts有償版でR(Regular、otf)が使えます。

ヒラギノ明朝

フォントタイプ:otf
明朝体 | ヒラギノフォント 

現代的でシャープな表情の中に、伝統的な筆文字の美しさをマッチさせた華やかで上品な書体。起筆、送筆、収筆(とめ、はね、はらいなど)の各部に美しい筆づかいを取り入れつつ、日常的に使えるベーシックな明朝体として、デジタルならではの緻密さと一貫したデザイン性を持つ渾身の明朝体ファミリー。
公式サイトより

Mac、iOS/iPadOSではおなじみのヒラギノ明朝です。
使えるのはW3/W6なので、見出しに太字を使いたい時にも便利。
但し、W3は印刷所の補正によっては太めに出てしまうことがある。…が、この現象には(同人印刷としてあまりメジャーでない)印刷所1社でしか確認していない。
起こり得る事象として覚えておいて、もしそれにあたった場合で、どうしてもヒラギノ明朝を使いたい場合はW2を導入すべし。
お値段はStdで11,880円ProNで23,650円Pr6Nで25,960円(全てAmazonダウンロード版価格)。
Amazonでヒラギノ明朝 W2を購入する

MS明朝

フォントタイプ:ttf
「MSゴシック」、「MS明朝」についてのお話 | 産業向け製品 | リコー 

「MSゴシック」、「MS明朝」は1992年にWindows® 3.1で初めてWindows®に搭載された日本語のTrueTypeフォントです。
当時は、日本語のTrueTypeフォントがなく、リコーが米国マイクロソフトと共同で試行錯誤しながら開発しました。
そのころは、ディスプレイの解像度が低く、小さな画面で、いかに小さい文字まできれいに表示させるかということでいろいろな工夫をしました。
その後、様々な進化をしながら、18年間にわたってずっとWindows®の標準フォントとして使われています。

WindowsでおなじみMS明朝。
ディスプレイ解像度がまだ640×480程度の頃から使われてきた、歴史の長~いフォント。
背景が背景だけに、本来は小説本に使うタイプのフォントではない…が
印刷所にWordデータ(docx)のまま入稿するときには「MS明朝に設定して」と指定が入っている場合があったり、(主にWindows – Wordでの)PDF変換がどうしても上手く行かない場合の最後の砦。

巷では本文にMS明朝を使うことについてあれこれご意見が出るので、単体で記事書いてあります!!!
MS明朝の使用可否とか、色々な理解が深まるといいな…。

凸版文久明朝

フォントタイプ:otf
凸版印刷 | 凸版文久体 

本文用である凸版文久明朝は、縦組みの読みやすさを第一に考えて作られました。凸版文久体ファミリーの中でもっとも代表的な書体で、戦前から受け継いできた凸版明朝体をベースに、現代に合うように明るく平明に磨きあげています。
スクリーンメディアでの表示用としての利用も配慮されており、ディスプレイのバックライトなどで文字が細くならないように文字の太さが調整されています。
公式サイトより

MacOSで利用可能。
iOS/iPadOSでは対応アプリから追加ダウンロードで利用可能。
Windowsの場合はモリサワパスポートかAdobe Fonts有料版に収録されているので、いずれかの利用環境があれば利用可能。
Adobe Fonts(有料版)を安く使う

…と、利用しやすそうな割には利用されているという話は聞かないフォントだったり…
フォント利用環境がないので、ここだけiPhoneでサンプル画像を作りました。ので、横書きのサンプルが無いです。スマヌ…

導入しやすい! 有償フォント

有償フォントを買ってみたいけど……お試しフォントがなく、どんな感じなのか分からなくて手を出しづらい……
というそこのあなた向けにサンプルを作りました!
購入の参考にしてください!

イワタ中明朝体オールド

フォントタイプ:ttf,otf
明朝体オールド 書体イメージ|製品情報|株式会社イワタ 

昔から多くの人に愛され、慣れ親しまれてきた活字の美しさと力強さが、今デジタル書体となってよみがえりました。「イワタ明朝体オールド」は、活字時代から使われてきた「岩田明朝体」を元に、その字体とデザインを忠実に再現した書体です。かな文字の独特のラインをはじめ、漢字では起筆部を強調するなど、細部にもこだわって作成しました。

ハヤカワ文庫や昔の角川スニーカー文庫がイワタらしいです。
なので、その辺を読み慣れてる人だったら、これが第一候補になるかも。
私の中ではどんな文にも合うオールラウンダーです。

高額になりやすいPr6/Pr6Nでも2万円以下で導入可能な点も推しポイントです。
ttfが8,000円(税別)、otfが16,000円(税別)ですが、ttfを試しに買うくらいならotf買っちゃった方がいい。損はしない。
※制作環境的にttfが望ましいのであればこの限りではない
あとイワタ公式から買うとこの値段ですが、designpocketで買うとちょっと高い。何故だ。

ここでは私が所持している中明朝体を掲載していますが、もっと細いのが良ければ細明朝体や中細明朝体を候補にしてみましょう。
私的には中明朝体でちょうどいいです。細すぎても読みにくいので。

筑紫Aオールド明朝

フォントタイプ:otf
筑紫Aオールド明朝 R | Fontworks 

結構高い割合で「これはえっち……」と言われている筑紫Aオールド明朝です。私もそう思ってる。
星海社文庫のFate/ZEROの本文フォントはこれ*1です。1巻目の巻末に記載があります。
フォントワークス提供のmojimoシリーズAdobe Fontsに収録されており、サブスクではありますが比較的安価に導入出来るフォントだと思います。

*1…実際は「筑紫オールド明朝」。「Aオールド明朝」は「オールド明朝」の漢字の一部をリデザインしたものだそうですが、何が違うのか…ほぼ違い無いです

清和堂明朝 文芸

フォントタイプ:otf
清和堂フォント 

元・写研のデザイナーさんが制作したフォントです。
ウェイト展開はL・R・Mですが、Mでもあんまり太くないので、Rだけ導入してもいいと思います。
stdのみなので、stdに含まれていない文字を使いたい人は候補から外れるかもしれませんが、そうでないなら導入コストが比較的安くて綺麗なのでおすすめ。

番外編:こんなフォントどうでしょう

BIZ UD明朝

掲載バージョン:2.01

Windows10日本語版「October 2018 Update」以降で利用可能なフォント。日本語版以外でも日本語パックをインストールすれば使用可能。Windows10以外でも「MORISAWA BIZ+」を利用すれば使用可能になる。
元々Officeで使用されることを前提にされているので、Wordでも使いやすい。しかしUD=ユニバーサルデザインということで、「見やすい」「読みやすい」「間違えにくい」という特徴はあるが、小説のような長文用のデザインではない。

じゃあ何でエントリーしたのっていうと、小説を読む人の中にはUD書体の方が都合が良いという人がいそうだから。

クレーOne

掲載バージョン:1.100
「GoogleFonts」へディスプレイ書体など全8書体を提供しました | Fontworks 

フォントワークスの一部フォントがGoogle Fontsに参戦!(あの画像)
で話題になったうちのひとつです。
Google FontsのフォントはAdobe Fontsにもあるんですけど、Adobe Fontsでは「明朝」でフィルターすると引っかかるんですよこれ。
ただフォントワークス的にはこれは「手書き風の楷書系硬筆体」だそうです。
縦書きでも結構読みやすいんですが、全文にわたって使うフォントというよりは、本文中で何らかの演出をしたい時に使いたいフォントだと思いますね。
文庫ページメーカーでも採用されてます。というかエントリー理由はこれ。

さつき源代明朝

掲載バージョン:1.04
派生元:源ノ明朝→源雲明朝、むつき、EB Garamond
【フリーフォント】源暎フォント ダウンロード – 御琥祢屋 

活字っぽいフォント(1)。活字っぽい本文を再現するならこれ。
「むつき」にも漢字は収録されているんですが、結構少ないので、「むつき」を使うよりはこれ。源ノ明朝派生なので漢字もたくさん収録されてて安心。
また、「むつき」派生のフォントはこれ以外にも色々あるのですが、私的にはこれが1番バランスが良かったのでこちらを紹介しています。
これ以外のフォントは明朝体フリーフォント片っ端から集めたを見てください(宣伝)。

Oradano明朝

掲載バージョン:0.2018.0101
Oradano Mincho : public domain Retro style Japanese font 

Oradano明朝フォント/Oradano明朝GSRRフォントとは、通常のテキストデータを「和レトロ」「活版テクスチャ」な表示に変身させるフリーフォントです。
配布サイトより

活字っぽいフォント(2)。こちらの方がより活字っぽいことと、漢字が旧字体になります。
収録漢字も第一水準漢字+青空文庫使用上位3,000字+αに絞られていることもあり、全文にわたって使うようなフォントではないです。
どちらかといえばデザインフォントで、クレーOne同様に演出として使うようなフォントです。
ただこれを本文に使ったら面白そうだなっとは何度か思ったことがある。

游ゴシック

字游工房|JIYUKOBO | 游ゴシック体ファミリー 

これ、「小説同人誌向け明朝体フリーフォント の本」を出した時にコラムを書きました。
ゴシック体で本文を組んではいけないのか? という問いがたまに上がるので。

ゴシック体は縦画と横画がほぼ同じ幅で作られています。一方、明朝体は縦画は太く、横画は細く作られています。ゴシック体と明朝体を比べると、漢字とかなの差(コントラスト)が強くなりやすいため、情報が整理しやすいそうです。元々明朝体というもの自体が印刷用の書体として開発されたそうなので、読みやすいデザインになっていることも納得です。
「小説同人誌向け明朝体フリーフォント の本」より

てな訳で、上記のことを踏まえると小説で全文をゴシック体にするのはちょっと読みにくいのかもしれない。
でも小説本でも全くゴシック体が使われていないかというとそうではなくて、ここまでに何度か出している「演出」が目的であったり、見出しやルビがゴシック体になっている、なんてことも。
あと小説ではなく、コラムなどの読み物系だとゴシック体で組まれてることがたまにありますね。

游ゴシックは数あるゴシック体(サンセリフ体)の中でも、比較的縦組みでも読みやすく出来ていると思います。
という理由で游ゴシックにしただけなので、源ノ角ゴシックでもM+でも、使いたいフォントを使ってみるといいと思います(雑!)

コラム

小説本文にまつわるあれこれを書いてみました。

本文フォントの選び方

小説本文用フォントの時に結構な頻度で見るのが「本文用フォントはどれを選んだらいいのか分からない」という話。
「私のストーリーに合ってるのかな…」とか「こういう本文だとどうかな…」みたいなのもよく見ます。

上ではちらちらと「どんな文にも合う」みたいなことを書いてはいるんですが、逆にこれ以外では「こういう話に合う」という書き方は基本してません。
「筑紫はえっち」とは書いたけど、これは私が「フォントのデザインがえっちに感じる」ってだけで、「えっちノベルに使いなさい」という意味じゃないです。
各フォントベンダーも「文芸向け」的な書き方はしていても「こういう文章に合うように作っています」とは基本的に書いてないです。
例えば、游明朝体は「時代小説が組めるような明朝体」とは言ってますけど、「時代小説に合う」とは言ってませんからね。
実際、游明朝体ってオールドスタイルというよりはニュースタイル寄りに見えるので、「時代小説」のイメージとは逆っぽい気がするし…。
というわけで私的結論は

直感で好みのものを選べ。

ユウ先生面倒くさがって雑に投げてない? って感じに見える(私もそう見える…)んですが、違うそうじゃない。
「フォントから感じるイメージは主観で、ひとりひとり見え方が違う」から、そう言うしかないんです。
実際、上で私が「筑紫はえっち…」とか言ってたんですけど、どっかで「筑紫はホラーっぽい…」って声を見たことがありますし。

あと「フォント自体に見慣れているかどうか」みたいなのも主観に影響を与える気がします。
私はラノベ育ちなので割とリュウミンみたいなフォントは見慣れてますけど、ヒラギノとかはあんまり見慣れてないので、自分の小説をヒラギノで組んでみるとなんかちょっと違うな~…って気になります。

小説本制作でも稀に聞かれることがあるのですが、上記の理由で「私からはお答えしかねます」「パッと見の直感で決めていいです」とお返ししています。

Adobe Fonts(有料版)を安く使う

Photoshopとかは利用しない…しかしAdobe Fontsが使いたい……
そういう時のチョイ技です。

ズバリ、Adobe InCopyを契約します。
年間契約で1ヵ月あたり638円(年6,336円)、月々プランは968円で使えます。
消費税率上昇で下のツイートより価格変わったかも

mojimo-mangaの倍近くしますが、mojimoより使えるフォント幅が広く、日本語も英語も使えるフォントがめちゃくちゃ増えるので、フォントワークスだけじゃなくて他のフォントも使いたいんじゃ! って人の候補になると思います。

本文用として良さそうなフォントがいろいろ収録されているのでリストでご紹介。

  • リュウミン
  • 利用できるのはL-KLのみなので、いわゆる「リュウミンオールド」ことL-KOは利用出来ません、注意。
    また、Lのみというのがポイントで、印刷所によっては線が飛び飛びになります。経験済。
    何故Rを収録してくれなかったのですか

  • 秀英明朝
  • Adobe Fontsの他、一太郎プレミアム版とかにちょこちょこ収録されている印象。
    展開はL・M・Bなので、ちょっと選択が困るかも。LかMが候補。個人的にはL。

  • 貂明朝テキスト
  • 貂明朝の本文用フォント。
    ぱっと見は秀英ぽく感じるので、ニュースタイルというか、モダン?な方向性なんですかね。

  • マティス
  • かなりすっきりした感じのフォント。フォロワーさんにこのフォントで本文組んでる人がいます(個人的情報)。
    エヴァ界隈にはこれのEBが各話のタイトルなどで使われていることでおなじみ。

  • りょうText
  • CS5まではAdobe製品に同梱されてたのにCS6には何故かなかった。どうして(あの画像)

ダッシュが繋がらない時は

ダッシュが繋がらないのはフォントのせいかもしれません。
しかし、いくつか解決方法があります。

  • ダッシュの部分だけ、ダッシュが繋がるフォントに置き換える
  • ダッシュひとつを2文字分に引き伸ばす

個人的には「ダッシュが繋がるフォントに置き換える」を推します。私も普段やってます。
ぶっちゃけダッシュにデザインの違いなど無いも同然ですから、ダッシュが繋がるフォントに置き換えてしまえばいいのです。
WindowsだとなんとMS明朝のダッシュは繋がります。わざわざ繋がるフォントを探さなくてももう入っている。
それ以外だと源暎こぶり明朝・ちくご明朝やしっぽり明朝などはダッシュが繋がるように作られてます。
但し、WindowsのダッシュとApple系OSのダッシュは文字自体が異なるため、「必ず繋がる」とは限りません。

参考:Wordで小説本 応用編(1)ダッシュをつなげる | 本を作ろう — 小説本(小説同人誌)製作情報
参考:【コラム】ダッシュと罫線のめんどくさい話 | 本を作ろう — 小説本(小説同人誌)製作情報

ダッシュが回転しない時は

これまたたまにある話です。
フォントのせいかもしれませんし、OSとソフトの組み合わせのせいだったり原因は様々です。
フォントのせいだったら、ダッシュ部分だけフォントを変更してやるだけで解決することがあります。

あと、上で書いた通りWindowsのダッシュとApple系OSのダッシュの文字の違いがあるため、Winの方は回転するのにApple系だとダメとかは起こり得ます。
これに関してはTwitterで簡易的に答えてます。(ここでは縦式での話)
(そのうち記事に昇華します)

PDF化の話

最近ではPDF化環境も多様になってきましたので、ここに全部書くとえらいことになっちまうのですが、ちょこっとだけ。
まず、この記事にフォント種別TrueType(ttf)かOpenType(otf)かを書いているのは、利用者が多いWordでの「名前をつけて保存」や「PDF/XPSの作成」ではOpenTypeを埋め込めないためです。
但し、PDF作成ソフトを利用すると埋め込めます。
また、TrueTypeでも埋め込めないなどのトラブルがある場合は、やはりPDF作成ソフトを利用すると埋め込める場合があります。

導入しやすいPDF出力ソフトはCubePDFJustPDFです。
CubePDFはフリーソフト、JustPDFは有料ソフトです。
いくつかの印刷所でもCubePDFでのPDF出力について案内を出しているところがあります(ざっと確認した範囲でK9とHOPE21)

参考:同人誌印刷のケーナイン(K9) 短納期で格安&初心者の味方!

あとフォント的な話からは外れるのですが、最近リリースされたAdobeのオンライン版Acrobatを使うとWordのフィールドコードが設定されてる箇所とかがおかしくなる場合があるみたいです。
この辺は後日PDF変換についてまとめたいので、そっちに詳しく書きます。
ひとまず現時点では、私はAdobeのオンライン版Acrobatはおすすめしません。

おわりに

2014年に「小説同人誌向け明朝体フリーフォントまとめ」をリリース、その後、2020年3月に後継記事の「明朝体フリーフォント片っ端から集めた」リリース。
前者のタイトル通り、もとはといえば小説同人誌用に明朝体のフリーフォントを集め始めたのがきっかけでした。
今では100を超えるフォントを紹介する記事になっちゃってますが。

新しい記事として後者を出した時にタイトルを変えたことで、小説本制作者以外にも届く記事となりました(多分)が、反面、元々のターゲットだった小説本制作者に届きにくくなったかなぁと思っていました。
ならば、記事を分離すればいいんじゃないか、記事長すぎるし! ということで、今回は明確に「小説本文用」に絞って記事を出した、というわけです。

改めて、皆様の創作活動、小説本制作のお役に立てれば嬉しいです!
記事をご覧いただき有難うございました!

フォント情報を募集しております

この記事のリリース日以降にリリースされた新しい「小説本文向け」と銘打ったフリーフォント、または「これは小説本文に合いそう」というフリーフォント情報を随時募集しております。
自薦・他薦は問いません。
ご連絡はContactからの他、TwitterのDMやマシュマロでも大丈夫です。

新しいフォント情報が来たら、この記事も更新します。
フォント●選、のようなタイトルにしていないのはそのためです

見本PDFを配布予定です

初回リリースではご用意しませんでしたが、この記事で紹介しているフォントの見本PDFの配布を予定しています。
初回で出せなかったのは公開範囲を決めかねたせいですが、(特に有償フォントの)各フォントライセンスを確認でき次第配布予定です。

よろしければ

今後ともまとめを作っていきたいと思います。
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