「磯野ー! 小説同人誌作ろうぜー!」の2021年版にさきがけ、「小説同人推し印刷所」の2020年版をやりました。
総評みたいなのはついったにも書いたのですが、もうちょっとだけ詳しく書くために記事にしました。
この投票はあくまで「小説同人」における「推し印刷所」を調べたものであります。
各印刷所の優劣ではありませんのでご注意ください。
また、この記事では私自身が確認しうる範囲で印刷所情報を載せています。なるべく主観に寄らないように心がけておりますが、あくまで「私が確認した」内容になりますので、ご承知おきください。
2023年版をアップしました!
こちらも是非どうぞ!
2020年版TOP5
Twitterに投下したのと同じ画像を。
今回の投票のTOP5です。
1位:ちょ古っ都製本工房
◆格安小冊子作成・冊子印刷・制作 ・印刷・印刷通販【ちょこっと(ちょ古っ都)製本工房】
概ね画像内に書いた通り。
同人専門印刷ではなく、同人誌印刷も受注している京都の一般印刷所さんです。
1冊だけ制作することも可能。
小説にとどまらず、少部数発行なサークルさんの味方。金額的には最安値クラス。
印刷品質的にはごく一般的なレベルのオンデマンド感。
最近表紙用の特殊紙や、本文用に書籍用紙(淡クリームキンマリ)が選択可能になっている。
箔押しやレーザーカットなどの特殊加工系はないものの、クリアPP/マットPP可能、表2・3印刷(モノクロ・フルカラー)可能、遊び紙自由位置挿入、Word入稿可能、など、同人誌で利用されている基本的な製本仕様は揃っている。
ということを考えるとお値段相応どころかお値段以上では!? と個人的には思う…。
入稿データ形式がPDFのみなので、マンガでも小説でもPDF変換ソフトが必要。
二次創作や成人向けはダメなのか?
巷では「二次創作ダメ」とか「成人向けダメ」的なことが噂されているのですが
私自身が入稿した経験から言うと、「二次創作マンガ」は普通に通りました。
また、ベッドシーンが含まれる「一次創作R18小説」も特に連絡なく通りました。
当件について問い合わせてみたのですが、返答がありませんでした…ので記事を引用します。
こちらの記事によると、「小説は法規に反しない範疇のものであれば成人向けも可だそう」とのことです。
◆少部数かつ安く同人誌を印刷したい場合のおすすめ印刷所まとめ(2020年版) | 戦国らいふ
2位:STARBOOKS、3位:OneBooks
2位のSTARBOOKSは2018年版でちょ古っ都製本工房と同率1位だった人気の印刷所です。
3位のOneBooks(RED TRAIN)は最近急速に利用者が増えている印象が強い印刷所。
STARBOOKS
製本基本料金が15,000円で、そこに製本に絡む原材料費などを加算して実際の印刷代金を算出します。
オンデマンドなので1冊から制作可能ですが、1冊だけ作るには一見高く見えるかも。
念のため書いておくと、オーダーメイドって観点から見れば全然安い方だと思います。
1冊制作が超安い印刷所(1位の印刷所とか)が存在するので感覚が麻痺してしまうのですが、「同人誌」ではなく「自費出版」とか「個人出版」でググって印刷費を調べると、おそらくもっと全然高いお値段を提示している印刷所に当たると思います。
そちらがお高い理由は色々あり、また安い印刷所には安いなりの理由があるので、ひとくくりに「値段」という観点だけで論じられることではないのですが、まぁ一応。
さて話をもとにもどして…
割引システムの「毎割」は1日ごとに締め切りを設定出来ます。
固定値での値引きなので、少部数であるほど1冊あたりの値引き額は大きくなる。メニューによるが最大7,800円~9,300円くらいの値引き。
この初回の最大値引きの締切がイベント1ヵ月前とかになるので、早割使いたいけど脱稿がギリギリな人にとっては〆切がネックになるか…?
利用後には「毎割」と併用可能な割引チケットが発行されたり、会員ランクシステム「ぼうけんのしょ」がランクアップしたりする。
利用前からでも「お客さまノート」へのログイン時のクイズに正解すればシルバーポイントが入るなど、割引制度がかなり充実。
利用予定があれば早めにアカウント作っておいて、毎日こつこつログボを取っていけば、1日10pt、30日で300ptになるわけですね…
と、このように長く使えば使うほどオトクに同人誌制作が可能な為、ここに決めたらずっとここを使い続ける人はすごく多いです。
さて実際のご本はというと。
製本も印刷もとても綺麗。表紙や遊び紙用の特殊紙、箔押し用の箔の種類がとっても豊富。
使いたい紙が常備用紙になくても、取り寄せ可能な特殊紙は取り寄せて制作してくれます。要問合せ、要見積もり。
実際に制作案件で常備用紙にない用紙を提案させていただいて、制作したものがあります。
なんとSTARBOOKSさんのサイトに制作事例として紹介されたので、こちらを見て欲しい!
掲載場所は箔押しの事例、作品は夏海様(掲載許可済)
【STARBOOKS】箔押し加工のカラー箔『ロイヤルパープル』の作例に新たに作品を追加いたしました! 白黒のカバーに鮮やかな紫が箔押しされることで、それぞれの印象が引き立ちます。エンボス紙と前後の遊び紙の組み合わせなど、こだわりの詰まった装丁です。作例はこちらから→https://t.co/ApdrXrhERe pic.twitter.com/BrLSr3h8cN
— STARBOOKS (@e_STARBOOKS) December 18, 2020
本文印刷は「黒のマット感を優先」か「グラデーションの再現性を優先」を選べるので、グラデーションを綺麗に出したいマンガ同人誌でも人気。
良く分からない場合は「おまかせ」にしておけば、オペレーターさんが良きに計らってくれます。
まだPDFのカラーモードと印刷結果とかに不安があった頃に問い合わせしたら「不安な場合は備考に書いてくださいね~」って超優しく言ってくれた…ありがとうスタブのお姉さん…
あと
「気づいた範囲」ではあるとのことですが、原稿がきちんと印刷出来るかどうかのチェックはもちろん、「ここ切れるかも」や「ここはこれでいいですか」と、細かめの確認が飛んでくることも。
私もフリーフォント本作った時に、フォントの一部の文字形状がおかしかったところが確認来ました。(この時はフォントのせいなのでそのままにしてください、って言った)
この辺が初心者の人が有難いと思っている点かなと思います。
いつでも問い合わせに対してめちゃくちゃ丁寧に答えてくれるって意味でも使う人が多いんじゃないかな~
小説用の本文用紙としては「淡クリームキンマリ」の90kgか72.5kgしか選択肢がないため、300pを超える小説本は厚みと重み的に厳しいと感じる人がいるかも。
62kgを常備用紙に追加してください。(願望)
余談。
搬入の段ボール箱がめっちゃカワイイ。
OneBooks(RED TRAIN)
この投票結果を出した際に、ワンブさんに直接推しポイントを聞きましたので先にそれを載せてしまおう
推しは「仕様で単価決まるから1部でも100部でも単価同じ」「カラーもモノクロも自由に使える」「本文用紙(特に小説向け)が豊富で、書店文庫本のような質感の本文用紙(ワンブックスノベル、スカーレットノベル)がある」推せないのは「納期が超長い!」ですね。今後ともよろしくお願いします!(前田)
— (株)REDTRAIN公式 (@redtrain_info) October 21, 2020
まさかの「推せないポイント」まで飛んでまいりました
というわけで、公式さんが仰ってる通り、1冊から制作可能で、制作単価は1部でも100部でも一緒。
ここはワンブックスさん最大の特徴かな。
しいて言えば、送料の部分は1梱包ごとになると思うので、部数が多い方が送料分だけは頭割り出来るかな、くらい。多分大して変わらない。
本文はモノクロ印刷でもカラー印刷でも同一料金です。すごくない?
それと、文庫や新書の場合、基本仕様であれば、カバーや帯が料金内(=カバー無しと同一料金)です。すごくない?
すごくない????????
もっとそういうとこ自薦して!!!!
本文用の常備用紙もかなり充実していて、特に文庫本(小説本)専用用紙である「ワンブックスノベル」「スカーレットノベル」が常備されているので、商業の文庫本のような同人誌が作れるのです。
このワンブックスノベルとスカーレットノベル、色、感触、めくりやすさ、本当に商業の文庫本みたいなんです。
紙厚も薄めなので、ページ数が多くても安心。
上2つ以外にも、他の同人印刷所では見かけないような紙が揃っています。資料請求して紙の実物を見よう。
本もかなり丁寧に制作してくださったり、相談に乗っていただけたりするようです。
よくTwitterでも製本についてのアレコレを発信されてます。
が、公式が「推せない」と言っている通り、納期が2週間~になるので、イベント前にギリギリ脱稿しがちな人は厳しいかも。
〆切と相談だ!
あと!
最近ワンブックスさんで作る人がめっちゃ増えたらしくて!
なんと12/15時点で2/8完成分までが受付満了してるそうです………すごいね………
手作業になる工程が結構あって、その都合であまりたくさんは受注出来ないということらしいんですが、それにしてもスゴイね。
ワンブックスで作った本の紹介ツイートをRTしたり、制作した人に積極的にリプを送ったりと結構まめにTwitterやってます。
ここを使いたい人は制作事例を見るためにフォローするといいかも。
4位:プリントオン、5位:しまや出版
◆プリントオン 同人誌印刷
◆同人誌印刷会社なら・初めての人“にも”優しい同人誌印刷所「しまや出版」
以前から「わくわくドキドキ」シリーズで大人気のプリントオンと、今回5位に浮上のしまや出版です。
プリントオン
上にも書いた「わくわくドキドキ」シリーズが人気。
特に小説本最大のお悩み「表紙制作」を「わくわくドキドキデザインセット」を利用することで解決出来るのが大きいです。
デザインめっちゃいいですよ。どの本見てもめちゃくちゃに良い。
制作仕様も印刷所が考えてくれるので、紙のことが良く分からなくても安心。
プリントオンの超豊富な特殊紙から選んでくれたり、カワイイカット加工とかレーザーカット加工とか入っちゃう。
本当に、ここら辺が超お悩みの方に、推せる!!!!!!!!!
よく見るオンデマの印刷所の中では常時利用可能な特殊加工の数がダントツなので、「わくドキ」シリーズじゃなくても大人気。
凝った装丁のアンソロとか作る人はここを選んでる人が多い印象。
期間限定のセットとかも本当に可愛くて思わず作りたくなっちゃいますね…。
私も最近になって知ったんですが
この「わくドキ」シリーズ、メニューにはA5とB5しか載ってないけど、A6(文庫)や新書判なども制作可能なんですって!
料金はA5と同一とのこと。
⇒Q&A セット商品・グッズについて
仕様が仕様なので、という感じではありますが、製作費的にはそれなりにいいお値段します。
早割は最大30%引きで、早割時にはサービスオプションが使えたりもします。
最近RGB印刷に対応しました。
しまや出版
しまや出版は以前から小説本推し推しなのですよー。
以前は「小説のテンプレ、私はしまや出版のテンプレを使ってました」って声が結構よく見られました。
実は過去の私もしまや出版のテンプレを見てからそれを参考に作った。
WordからPDFを作るためのソフトとかある。
小説本を創りたい方へというページもある。
文字書きさん向けガイドブック&料金表というのもある。
オフセットは結構いいお値段してしまうのですが、オンデマンドのページ数少な目の範囲だとすごく高いってこともなく。
これは良いお値段するわ………ってのが良く分かるのが、しまや出版製の本、もーーーーーめっちゃくちゃに綺麗なんですよ。本当にすっごい綺麗で。
で、オプションのページ見てもらうと分かるんですが、オプションも豊富に用意されている(一部オプションはオンデマだと使えないです)。
私が見た中ですごかったなーと思ったのが、クリアカバーに白インク印刷。アンソロの表紙カバーだったんですけど、これが物凄くかっこよくて綺麗でした。
結構色々な種類の資料(冊子・印刷見本)があるので、是非イベント会場に出展されてたら、資料をもらってきて見てみてください。取り寄せでもイイヨ。
ほんっとうに綺麗だから!
印刷品質の話ばかりでもアレなので
しまや出版の文芸セットでは、フルオーダー表紙、またはセミオーダー表紙(単色・カラー)が利用出来ます。
フルオーダー表紙は製本料金が3万を超えるときに利用可能(表紙制作代が別途かかります)。
セミオーダー表紙は無料で使えます。しかも種類がめちゃめちゃ豊富。
記事書いてる時点ではSOLD OUTになってるんですが、セミオーダー表紙のカタログも販売されてます。
セミオーダー表紙ってどうなんだろう、既製品ということは、他の人と表紙が被る可能性あるから、利用に際して抵抗とかあるのかな? と思ったので、Twitterでご意見を募集してみましたら、こんなマシュマロが届きました。
ご意見は一例ですが、上で私が書いたような「抵抗」みたいなのが全く無く、とっても楽しそうに表紙選んでる様子が伝わって参りました。
本当に種類がめちゃめちゃ豊富なので、一度セミオーダー表紙一覧のページ、見てみるといいです、そして通番に驚いて欲しい。
2020年版全投票結果・総評
この投票について再度記載しますが、これは「小説本を出すサークルによる」「推し印刷所」です。
各印刷所の優劣ではありません。
このような投票結果になったことには色々理由が考えられる。
以下は私が今回の投票や、作ろうぜまとめの為に収集した情報をもとに総評…というか考察を書いています。
制作上の希望を考える
小説同人誌を出すサークルには、以下のような希望があると思います。
- 極少部数で発行したい
- ページ数が多くなりやすい
- 商業の文庫・新書のような本を出したい
- 製本が綺麗な印刷所を使いたい
- 原稿作成に不安があるのでサポートして欲しい
これらを1つ、あるいは複数満たす印刷所がよく選ばれていると考えます。
極少部数・ページ数多め
ここは在庫と制作にかかる金銭コストの話になります。
小説サークルの場合、20部でも多いと感じる人が一定割合いる印象です。
最低部数が1部~や10部~の印刷所が候補になり、最低部数30部~や50部~みたいな印刷所は候補から外れます。
オンデマ専門の印刷所、もしくはオンデマの取り扱いがある印刷所に票が集中しているのはこれが理由だと思います。
小説同人誌はあんまり部数出ないという話もメチャ良く聞く話なので、「20部でも多い」って言われると何となく納得。
この「少部数・ページ数多め」は単価が高くなりやすいので、たとえ10部から作れてもあまり高額になり過ぎる印刷所は候補から外れがちかなぁ…。
もちろん、マンガ同人誌と同じような、28pとか40pみたいなウスイノベルブック出してる小説サークルさんもいますし、部数めっちゃ刷ってる小説サークルさんもいますけどね。念のため。
どっちにしろ、捌く部数を考慮して発行部数を控えめにしたいとか、金銭コストを抑えたいという事情でまず絞られて来ると思う。
商業の文庫・新書のような本
ここ最近は同人印刷でも文庫・新書に対応した印刷所が増えているので、こういう要望はより増えている気がする。
小説の方が商業本みたいな本は作りやすい…!
なので「希望の制作仕様で作れる」印刷所が候補に挙がりやすいかなっと思います。
商業文庫により近い、薄くてめくりやすい紙とか、嵩高の書籍用紙とかを標準で用意している印刷所なんかも票が入る可能性がある。
製本が綺麗
「製本が綺麗」は、たとえば背表紙の角(折り曲げのところ)が綺麗とか、断裁面が綺麗とか、背糊が綺麗とか、そういうのもあるのですが
小説同人の場合、紙面レイアウトが1冊通してほぼ同じなので、柱・ノンブル位置がズレるかどうか、ページの表裏で印刷がズレるかどうか、みたいなところを気にする人が少なからずいて、ここを指して「製本が綺麗」という表現をする人はいると思います。
サポート等
小説同人誌は原稿データを作ることになって初めて触るソフト・アプリ、または考え方、製本上の注意点など、知識を一気に取り込む必要があるため、かなり負担が大きいというのはよく聞きます。
そこで、問い合わせに対して丁寧に教えてくれる印刷所とか、マニュアルが分かりやすい印刷所も票が集まりやすい印象があります。
どの印刷所でも原稿に印刷工程上の不備がある場合は基本的に連絡が来ると思うのですが、サポートが丁寧、という評価が高い印刷所の場合は、より細かなところに気づいて確認の連絡が来たりするんですね。
同人印刷所は「完全原稿」が基本なので、あくまで「気づいた範囲」とかにはなる、とは言われてますけど、やっぱりそういう連絡が来る可能性があるよ、というクチコミで使われてるところが多いのかな~って気はする。
制作希望以外の部分を考える
優先度とか理由としては少なそうだけど、もしかしたらここも理由なのかも、と思ったところ。
サイトや発注の流れの分かりやすさ
公式サイトそのものが見やすい(どこに欲しい情報があるのか分かりやすい)は理由の一つかもしれない…
見積もり取りやすいとか、発注の流れが分かりやすいとかもちょっと考えました。
何社か、発注の流れが若干分かりにくいところがあるので…。
「発注の流れ」の話からはやや外れるのですが、進捗連絡がちょこちょこ来る(自動返信などでも良い)とか、サイト上で確認出来る、みたいなのもあるかもしれない。
不備がないと一切連絡がなくて発送通知すらない印刷所もあったりして、それがちょっとドキドキする…というところもあるので。
知名度
シンプルに知名度っていうのはあると思います。
まだ最近サービスを始めたばかりのところはユーザーが少ないため、利用した感じとか、印刷品質とか、それが分からない…というのもあるんじゃないかと。
具体的に名前を出すのですが、結果一覧の1番右に「booknext」という印刷所があり、ここは最近サービス開始した印刷所です。
細かいことは後で書くのですが、ここの印刷所、使われてるって話はあんまり聞かない。
知名度というべきか…クチコミが少ないからというべきか……
仕様や価格的にはもっと使われててもおかしくないなぁと思っていたのですが、今回は1票に留まっています。
6位以下について軽く
残念ながら上位に入らなかった6位~10位も、4位・5位とかなり順位を競っていました。
投票があと100票くらいあったら、ひっくり返されてた可能性が高いです。
実際、5位のしまや出版と6位のコミックモール、3票しか差がないですからね。
残念ながら私が利用したことがない(デザインなどで間接的にでも利用したことがない)印刷所もあるので、全ての印刷所について記載出来ず申し訳ないのですが、6位以下の印刷所をいくつかピックアップして少し書きますね。
コミックモール
小説用の本文用紙がすごく充実してるので、「コミック」って名前だけど小説本で使ってる人の方が多い気がする。
他社でいう早割に相当するサービスが「フェア」のページに書いてあります。ベルベットPP・ホログラムPP無料は控えめに言って意味が分からない(褒め言葉)
利用者の間でも「サイトが分かりにくい」とか「連絡が遅い」みたいな話をしょっちゅう聞くので、つい最近利用してみた感じを載せておきます。
仮予約をする(9/25入稿で予約)
⇒仮予約番号(入稿用ユーザー名・パス)が発行されると書いてあるのに一向に連絡が来ない
⇒入稿前日(24日)午前になっても来ない(もう原稿が出来てたから入稿したかった)
⇒不安になって電話をする
⇒「入稿前日17時くらいに集計して仮予約番号を発行するから待って」と言われたので待つ
⇒19時半あたりでメール飛んで来た
⇒24日に本注文・入稿する(Web入稿)
⇒連絡なし(入稿受付とか連絡ない)
⇒連絡なし(原稿不備とか連絡ない)
⇒連絡なし(支払いに関する連絡すらない)
⇒納品希望日に届く(発送通知もなかったので宅急便のお届け連絡で届くのを知って慄く)
⇒まだ支払いに関する連絡なし
⇒納品後1週間くらい経ってから支払い連絡が来る(クレカ払い)
正直納品日にお届け連絡来て「は? 来るの?」って思わず声出たわね…。
同人印刷では前払いが基本なので後払いにビビるなどした。クレカ払いにしたはずなのに代引きとかじゃないだろうな…って思ったけど代引きじゃなかった。
私の上の流れは一例だと思うので、誰しも同じとは限らないとは思うんですが、連絡が来なかったり支払い連絡がなかなか来ないことにビクビクしがちな人にはちょっとオススメ出来ない。
製本や印刷品質について、利用結果としては
小説本をリュウミンL-KL・KO(もちろんフォント埋め込み)で入稿したら、文字が細すぎるくらいに細かった。小さい文字のところはやや飛んでた。
オンデマは線が太りやすいと聞いてるんですが、それを考慮してなのか、細く補正してる可能性があるかな…。
別の印刷所にリュウミンLで入稿した時には「飛んでる」のような感想にはならなかったので、これは印刷所の補正とか、印刷機の都合と見ていいと思います。
でも原稿自体には不備がなかったので、このまま通って、このまま納品されて来た、という。
Regularを使えばいいと思うよ。Lightの中でもリュウミンLはまぁまぁ細い。
軽く書きたかっただけなのにちょっと長くなったな
ポプルス
最近サイトが見やすくなったな…!?
オプションじゃなくて、セットとしてカバー付き文庫(新書)のセットがある。
1部から作れる。スタンダードセットだとA5以下300p/10部が13,638円………えっ1万円台?
しかも600pとか作れるの?(但し本文用紙は淡クリームキンマリ90kgなので相当分厚い)(文庫セットの方は70kgだった)
近年ポプルスで刷られたベタ面多めの同人誌を見てないので数年前の情報になるけど、ベタは「オンデマ~~~~」って感じだった。
現在はどうだろうか。その辺は小説本だと気にならないと思うけど、挿絵入れたい人は気になるかな?
BRO’S
同人誌印刷の常備用紙としては珍しいかなと思うのですが、「淡クリームキンマリ62kg」があります。
あと「美弾紙ノヴェルス」。こっちは嵩高用紙(厚みがあるが軽い)。
タチキリと背糊の入り方がすごく綺麗で、背がカチッとしている。めくってもめくってもノンブル位置のズレが感じられないほど精緻な製本。
私も何冊かBRO’S製持ってますが、マジで綺麗ですよ。
投票した人だいたいこれ↑を言ってましたね。
日本橋おたクラブ
グッズ通販でも大人気、おたクラブさん。
特殊紙表紙の印刷見本を出したときに人気過ぎて即完売してたのは記憶に新しい。私も買ったんですけど、めっっっっっっっちゃ綺麗です、買ってよかった。
あとグッズの話になりますが、おたクラブさんのグッズの印刷すごい綺麗な上に「何故こんな安いのか…いいのかこんな安くて」みたいな値段です。小説本の話のところに書く話じゃないか。
おたクラブさんのカラーはRGB推奨なので、よく字書きの人が困ってる「CMYKってなんだよ~~~」っていう悩みが解消されるんじゃないでしょか。
ブックカバー印刷を併用すればカバー付き文庫本も作れるぞ…(でも巻きサービスはないので自分で巻く必要があると思われる)
HOPE21
「磯野ー!(略)」にも載せてるんですが、HOPE21にもセミオーダー表紙があります。
と言っても、「デザインが出来てるファイル」が配布されてて、自分でタイトル入れたりする方式なので、しまや出版やbooknextのセミオーダーとはちょっと性質が異なる。
(私の手持ちにはHOPE21製の本がないので、製本や印刷品質には言及できない、申し訳ない)
日光企画
こちらは「スマート小説本を作る」に載ってますが、小説の本文を作るWebツールがある印刷所です。
グッズを手作り出来る同人工房で有名な印刷所ですね。
通常のセットは通常〆切が水曜と遅めなんだ…滑り込みしたい…(えっ
セットの所には表示がないので、セットとしては常設ではないと思うんですが、フェアのところに文庫・新書のセットのページが(Novels Fair)。
〆切や料金は通常のセットと異なるので要確認。
上でコミックモール使ったって書いたんですが、その時最後までコミックモールか日光か悩んでたんです、うーん使いたかったな
手持ちの中には日光企画製が結構あります。綺麗です。
シメケンプリント
こちらも「スマート小説本を作る」に載ってますが、PDFを作るWebツールがあります。
小説本文だけでなく、中扉や奥付なども作れて、作ったPDFは同じくシメケンさんのところで結合出来る。シメケンさんを使わない場合でも利用OKとのこと。
印刷費も結構安い。こんなに至れり尽くせりでいいんだろうか。
但し私の手持ちにはシメケン製の本がないので(以下略)スマヌ…スマヌ……
緑陽社
同人誌印刷品質では最高峰と言っても過言ではない。
オンデマでも価格がそれなりに高かったりするけど、原稿チェックとか、印刷品質を守るためのチェック項目が半端なく多くて「そりゃこのお値段しますね!!!」という感じです。
でも早割も色々な種類があるので、見積もってみてください。
とにかくいい品質で刷りたい! というご希望があったら是非ここへ。相談も乗ってくれます。めちゃめちゃ推す。
原稿チェックも細かくやってくれるので、正直個人誌よりもアンソロで使われてる事例の方がよく見る。
booknext
栄光の廉価版部門。
サイトの構成や入稿システムの話を聞くに、工程の大半をシステム化することで価格を下げているっぽい(人件費削減!)
ローンチ当初は超最低限の製本仕様しかなかったのに、時は流れて、現在は特殊紙が使えるようになったり、セミオーダー表紙が使えるようになったりと、使いやすくなっていた………
最近栄光が小説のテンプレを充実させたりして小説同人誌を狙い撃ちしてるので、連動でこっちも充実してる可能性が高い。
このセミオーダー表紙のカタログがまたスッゲェので是非見て欲しい。(記事を書いている現在はSOLD OUT)
で、その栄光がやっているので、印刷品質は栄光準拠(私が確認出来たのはオンデマ)。
栄光といえば同人誌印刷ではいち早くマットトナーを導入した印刷所と記憶しています。
booknextでは制作仕様が限定されているため、カバー掛けたりは出来ず、最大ページ数も表紙EasyOrderだと164pまで(Simpleは300pまで)だけど、本文用紙に「淡クリームキンマリ62kg」が使えたりする。
私は注目しているんだけど、小説で使われている例は今のところ見たことがない………使われててもおかしくないんだけどなぁ
2018年版の投票結果
2020年版とは80票くらい差がありますね。
また、2020年版にはない名前もちらほら。
おわりに
投票結果は発表から2か月経過してしまいましたが、「小説同人推し印刷所2020」はこれにて完了です。
小説同人誌を作る人も、それ以外の人にも、参考になればいいな~と思っています。
また、今回は推し上位に入らなかった印刷所でも、気になったところがあれば是非利用してみてください!
投票実データ
今回の投票はTwitter「#小説同人推し印刷所2020」タグにて行いました。
ハッシュタグが付いたツイートをmin.tにてまとめております。
制作実例も載っておりますので、こちらもどうぞ読んでみてください。
よろしければ
今後ともまとめを作っていきたいと思います。
マシュマロへ応援メッセージや、Donationのリンクからお茶奢っていただけたりすると励みになります~よろしくお願いします!
※印刷所の使用感などについては質問されてもお答えしかねます。