皆さん……
推しキャラや…推しカプが……
たくさん詰まったアンソロ…
欲しくないですか…!?
私は欲しすぎて3回もアンソロ主催しました!!
今回の記事はマシュマロリクエストで「アンソロを作るための記事」をお願いします! とのことでしたので書いてみました。
これからアンソロを作りたい人、参考になるといいなー! と思います!
はじめに
私は過去に3度アンソロ主催をやっております。
最後に発行したものはまだ残っておりますが、過去2回分は完売しております。(有難うございました!)
今回の記事では、実際にやったことをもとにしています。また、それらが必須かどうかについても記述しています。
なお、この記事は物理冊子のアンソロジーのためのまとめです。
残念ながらWebアンソロジーは主催したことも参加したこともないので、私からはお答えしかねます。
ゴメンネ
あと基本的に同人イベント合わせ発行前提なので、通販のみでやる場合とかはあまり考慮してません。
ゴメンネ
準備をしよう
執筆をお願いする人にお知らせしたり、Twitterに向けて全体告知をしたりする前の段階の話です。
各種コストのシミュレーションや、執筆者向けに告知すべき内容を決める為の項目です。
先に申し上げますと、この項目が最も長いです! 書き出してみたらめちゃめちゃ長かったです!
お金のことを考える
もう真っ先に挙げてしまうのですが、アンソロ自体を印刷するのにお金が絶対に要ります!
即必要なものではないけど、用意出来るかどうかは重要だと思いましたので先に挙げました!!
みんな懸念することだと思うし!
とは言っても、超高額なお金が必要かどうかは、色々な要素で変わってしまいます。
考えられる金銭は
- アンソロ本体の印刷費
- 献本郵送費
- イベント参加費
- イベント会場への交通費
- フライヤー(チラシ)印刷費
- ノベルティ製作費
- 執筆者への謝礼(アンソロ以外の品)
- 書店への発送
などなど。
このうち必須かつ比率が高いのがアンソロ印刷費。アンソロ作るんだから当たり前か。
執筆者の方へはアンソロを1冊お渡しするのが基本なので、郵送受け取りの方がいれば郵送費も必須。
イベント頒布するのであれば参加費・交通費が必須。
フライヤー(チラシ)印刷費から下は任意項目になります。
オフラインでの告知をしないのであれば、フライヤーは不要です。
昨今はノベルティがついているアンソロが大半なので、必須かと思われがちですが、ノベルティは必須ではないです。
謝礼も可能な範囲で、になると思います。主催する方の気持ちで。
(ノベルティと謝礼は無理のない範囲でやろうね!)
書店委託をしないのであればここも不要なのでここに入れましたが、たいていは通販を併用します。印刷所から直送する場合、送料がかからない場合もあります。
これだけ書いてあると20万とか30万とか必要なのでは…!? と考えがちですが、実は必ずしもそうではないのです。
でも要るときは要ります。
次は、アンソロ本体の印刷費について具体的に考えてみましょう。
以下は、私の手持ちアンソロジーでよく名前を見るサンライズパブリケーションの価格をもとにお話します。
サンライズはオフセット、オンデマンド両方やってます。
Case1:小規模な場合
A5・100p・100部、アートポスト+クリアPP、オンデマンド
各社の「PPセット」のような、超基本仕様で刷ることを考えます。
「オンデマンドセットPP」で見積もると、55,300円+送料1,200円+税
Case2:中規模な場合
A5・152p・200部、特殊紙表紙
ちょっと豪華に特殊紙表紙。
オンデマの「オンデマンドセットDX」で139,600円+送料1,200円+税
オフセの「フルカラー表紙セット」だと123,500円+送料1,500円+税
Case3:大規模な場合
A5・240p・300部、特殊紙(OKムーンカラー)+箔押し(ポーラライト)・口絵1枚両面
更に豪華に口絵入りで表紙箔押し。箔押しするときは〆切が早まるから気を付けような!
仕様盛ったのでオフセットの方で自動見積もりしました。
表紙料金:50,300円
本文基本料金:207,900円
箔押し料(50㎠以内 最大18cm):11,300円
口絵料:20,700円
口絵差し込み料:2,000円
送料:1,500円
———————————
見積価格:293,700円(税別)
消費税:29,370円
———————————
合計金額:323,070円
:::
ここまでの例は全て「通常入稿」の価格です。
早割を使えばもっと安くなります。
また、他社では料金が変わるので、色々なところで見積もってみましょう。
お金を用意する方法
- 自前で用意する
- 共同出資する
- クラウドファンディング
全ての金銭コストを1人で負担します、負担は大きい
でもトラブルは基本無い
1人あたりの負担が減ります。
しかし金銭トラブルの懸念があります。
アンソロが欲しい人に事前にお金を出してもらう方法です。
発行数もある程度把握出来ます。
予価から変わった場合にお金を追加でもらえない、逆に多すぎた場合に返金しにくい等が考えられます。
使ったことがないのでシステムについて細かく分かってませんが、手段としてはこれもアリなのではないか、ということです。
印刷所を決める
という訳で印刷所の話です、印刷物だからね!
印刷所が決まると連動して決まる要素が多いので、出来れば告知前に決めておいた方が良いでしょう。
印刷所を選定するための要素としては、
- 印刷費
- 早割の割引率
- 〆切
- やりたい装丁の有無
- オフセット/オンデマンド
- 原稿をチェックしてくれるかどうか
- 印刷の綺麗さ
- アナログ原稿の可否
などなど。
いっぱいあるじゃん! どうすれば! と思ったら、自分で特に重要だと思う点を中心に調べましょう。
印刷所の特色などはこちらのまとめを見るといいんじゃないかな。古いまとめですが参考に出来る点はあると思います。
#この同人印刷所の良いところ まとめ
印刷費
細かな仕様は後で決めていいのですが、印刷所選定についての項目としてここに記述します。
上記リストの印刷費、やりたい装丁、早割の割引率、オフセット/オンデマンドの別、などで考えます
また、アナログ原稿で追加料金がかかる場合は、それも加算します。
印刷費については、執筆者人数やジャンル人口によるページ数・発行部数を事前にシミュレーションしておく必要がありますが、幅を持たせて雑に計算すれば良いかと思います。
〆切
詳しくは執筆者向けに告知する内容の項に書きます。
主催が実際に入稿する〆切と、執筆者向けに告知する〆切を編集などに要する時間から逆算して決める為に調べます。
早割時に〆切が早い印刷所(例:プリントオンなど)を使用する場合、当然執筆者の寄稿〆切も早くなるので気を付けましょう。
早いところ、最大早割の〆切はイベント前月とかになってたりします。
アナログ原稿の可否
アナログ原稿での寄稿が見込まれる場合(特に執筆者を公募する場合)はこれを視野に入れて印刷所を選定する必要があります。
印刷所によって
- アナログ原稿不可
- アナログ原稿可、追加料金がかかる
- アナログ原稿可、追加料金なし
のいずれかになります。
本文は追加料金なしでも、カラー原稿がアナログの場合は追加料金がかかる場合もあります。
アナログ原稿不可の印刷所でも、主催、編集に関わる人、執筆者の誰かがデータ原稿に変換することが可能であれば、候補に入れることが出来ます。
ex)印刷所情報を公開するか?
執筆者に対して、あるいは全体向けに、入稿先情報を公開するか? についてです。
これは必須ではありません。
執筆者向け
印刷所のHPに記載されている原稿作成手順を参考に出来る
⇒印刷所のHP記載の原稿作成手順が必ずしも整理されている、分かりやすいとは限らない
⇒主催が原稿制作についての説明を用意していれば必要ない
印刷所のテンプレートを使える
⇒一般的な基準を満たしていれば汎用テンプレートでOK
⇒自前のテンプレートを使用している人もいる
⇒印刷所以外の配布テンプレートを使う人もいる
全体向け
公開情報からアンソロの単価(売値ではなく単価です)を予測してアレコレ言う人がいるため、印刷所情報を告知段階で言わない人もいますし、執筆者宛だけに公開する人もいますし、全く告知しない人もいます。
ただ、奥付には基本的に印刷所を記載するので、後から言う人もいるけどね…あまりこういう事例は書かない方がいいとは思ったんですけど、一応…
アンソロでよく見る印刷所
私の手持ちの全アンソロ(※約150冊)に記載の印刷所からベスト5を出しました。
◆1位:緑陽社
オフセットの印刷所。アナログ可。
利用した全員が口を揃えて言うこと「緑陽社は最上級」。
真っ先に言うんですけど、基本の値段は高いです。
けれど、それに見合った、いや、お値段以上にアレコレお気遣いいただけます。
特筆すべきは、原稿内容の細かなチェックです。ページ数が個人誌より多いアンソロにおいて、チェックが細かいのは有難いってみんな言うんですけど、そのチェックした内容、リストが送られてくるんですよ。
印刷は綺麗だし、チェックは細かいし、対応は丁寧だし、でもってお高いはお高いんですけど、割引率も思ったよりいいんです。
あと、私は基本的な装丁にしかしなかったけど、オプションがめちゃめちゃ豊富で色んなこと出来るみたいです。
本当にマジで推せるので、部数が多めだとか、予算があるとか、そういう時ほんとに検討してください。見積もり取って下さい。
◆2位:栄光
オフセット・オンデマンド両方の取り扱いあり。アナログ可。
テカらないオンデマンドってゆーのを最初期に導入した印刷所だったと思います。
〆切が比較的遅めで、印刷所が用意しているセットの種類が豊富。
会員ランクなるものがあるようで、普段使っている人はより〆切遅めで入れられる様子。
表紙オフ・本文オンデマのセットもあるらしいので、ちょこっとだけグレードアップ…なんてことも出来る。
◆3位:あかつき印刷
オフセット・オンデマンド両方の取り扱いあり。アナログ可。
アンソロの奥付だけでなく、再録本の奥付とかでも結構な確率で見るところです。
超基本仕様のPPセット以外だと、きほんセットベースで仕様を色々追加していける。常備特殊紙も豊富。盛れる装丁も結構ある。
価格をはじめとしたバランスが良くて、印刷も綺麗。
私アンソロでも個人誌でもお世話になりました。なってます。進行形。
あとチョイポイントとして、秋ごろに本を出すと箱の中にお米が入ってる。美味しい。(本とは無関係)
◆4位:プリントオン
オンデマンド印刷。アナログ不可。
オフセット部門はアクシス出版。
装丁モリモリしたい人御用達。ここでしか作れない装丁のアンソロ出してる人多数。
知ってる中だと、カレーの香りがするアンソロとかがインパクト強かったです。
資料のセットだけで3,000円するんですけど、中身の特殊加工の数が半端ないので、そりゃそんだけの値段するわねっていう感じです。
むしろあの「出来る特殊加工」を見て「これアンソロでやりたいなー!」を考えるのもめっちゃあり。
最大早割がめちゃくちゃに早いという点だけは注意したい。
◆5位:サンライズ
オフセット部門
https://www.sunrisep.co.jp/
オフセット・オンデマンド両方の取り扱いあり。アナログ可。
個人誌で使う時は通常〆切が水曜で、ギリギリ滑り込みたいときの候補だったりするんですが(おいおい)
特殊紙が使えるセットが用意されてたり、遊び紙の種類も豊富。箔押しも種類豊富。本文用紙も色々選べる。オンデマでも盛れる装丁が多い。
プリントオン使うほどゴリゴリ装丁盛らないけど、ちょっと装丁盛りたい時にいいかも。
その他
あくまでも私の手持ちのアンソロの奥付記載の印刷所です。
複数を組み合わせたアンソロも数えています。
執筆者の集め方を決める
アンソロには執筆者が不可欠です。集め方としては、
- 公募する
- 依頼する
- 超身内でやろうぜ! ってする
公募の場合
私自身は過去3回全て公募でやっています。
せっかくアンソロやるから祭りにしようぜ! っていう理由で。
あと単純に人脈が(ry
わるいとこ
集まらない時は集まらないし、集まる時は集まり過ぎる。
マンガ・小説・イラストでどういう比率で来るかバラバラ。
あけすけに言えば作品クオリティも実にバラバラです。
いいとこ
普段ジャンルにいない人とか、ジャンル内の別キャラ・カプ推しの人の作品が収録出来る可能性がある。
アンソロをきっかけとして人と繋がれる可能性がある。
とにかく公募はこの利点がデカすぎる。他の形式でも出来ないわけじゃないけど、その作品に1度も触れていないかもしれない…となると、声かけづらいとか色々あるでしょうから。
依頼する
私はこれで参加したことが何度かあります。
わるいとこ
声掛けた人全員に参加してもらえるかどうかは当然わからないので、想定の人数が集まらない可能性があること。
私は上で公募でやったと言いましたが、声掛けて参加いただいた方がいます。
でも声掛けたうちの何名かには断られてます。断られた理由は様々でしたが…
声を掛ける人を事前にリストアップしたりしないといけないですし、お誘いのメールいっぱい書く必要もある。
(公募でも参加希望出してきた方にお返事するメール書きますけど…)
「あの人は声掛けられたのに私は掛けられなかった」みたいなやつとかも稀にある。怖い。
いいとこ
例えば、ファン過ぎて普段ならお声もかけられない人に勇気出して
「神作品をアンソロに入れたいんですぅぅぅ!!」
みたいな感じでお声かけて寄稿いただく、みたいなのもあると思います。
神の作品を……本に……
という具合に主催の好みを反映したりはもちろんですが、「この人ならこれくらいの作品を下さる」みたいな一定の信頼感があってやることだったりもするのかな~と思っています。
超身内でやろうぜ! ってする
合同誌と呼ぶかアンソロと呼ぶかの境界
「アンソロ」って称したらアンソロなんだよ!(暴論)
番外:ひとりアンソロ
ひとりで複数人みたいに見せかけて作る「ひとりアンソロ」っていうのがあるんですが
要するにアンソロの皮を被った個人誌です(まんま)
寄稿に必要な情報を決める
- 本のサイズ
- 寄稿可能な作品カテゴリ
- 原稿の形式
- 提出期限(〆切)
- ひとりあたりのページ数
- アナログ原稿の可否
- 作品内容
- 原稿サポートの有無
- その他
…などなど。
本のサイズ
超大事です。仕上がりサイズを決めます。
最近はA5が多いようですが、B5のアンソロもあります。
また、小説アンソロでは文庫(A6)や新書で発行される例もあります。
寄稿可能な作品カテゴリ
マンガ、イラスト、小説、などってことですね。
中にはコス写真とか、立体物写真とか、そういうのを入れたりすることもあるようです。
(残念ながら私は自分の手持ちにそういうのがないので、具体的なお話が出来なくて申し訳ないですが)
主催する人が
「マンガばっかり読みたいからマンガのアンソロにする!」
とか
「京極●彦とかホライ●ンみたいな厚みの小説アンソロやってやるぜ」
とか
「イラストがめっちゃ見たい、イラストアンソロやろ」
みたいな狙いがあるなら、カテゴリを決めておきましょう。
そうでなければ、たいていはマンガも小説もイラストも混ざったアンソロが作られてます。
「マンガ原稿しか扱ったことなくて小説原稿を寄稿してもらうには持て余すからマンガだけにしょ…」
みたいなネガティブな理由で収録内容を制限するのもちろんアリです。
でもこういうのはなるべく伏せておいた方がいいと思う。
原稿の形式
ここでは「データ原稿の受付可能な形式」のことです。
ファイル形式についても指定しておきましょう。
「アナログ原稿」については「アナログ原稿の可否」のところに書きます。
◆マンガ・イラスト・小説共通事項
原稿サイズ+塗り足しで作ってもらうという基本は当然のことですが、塗り足しのサイズも指定しておきましょう。
一般的には3mmあれば良いのですが、印刷所指定のテンプレートを使う場合など、3mmではない印刷所もあります。この場合たいてい5mmくらいかと思うのですが、中には4mmっていう場合もあります。
必ずしもテンプレートに貼り付けなければならない訳ではないのですが、念のため塗り足しサイズは揃えて置く方が良いでしょう。
◆マンガ・イラスト
出来ればpsdが望ましいです。カラー350dpi、モノクロ/グレー600dpiが一般的です。
たまに「どうしてもpsdで送れない」という人がいたりするので、そういう人にはpng、それもダメならbmpで送ってもらいましょう。
jpgは圧縮時に様々な理由で劣化します。特にカラーの場合は赤が劣化しやすく、色が変わってしまうのでオススメ出来ない。
◆小説
小説の寄稿方法はいくつか方法があります。
A)Wordのテンプレを用意して、それに小説を書いて送ってもらう
B)txtで送ってもらって、主催側でツールやテンプレに流し込んで生成
C)外注
だいたいAかB、あるいは両方になるかと思います。
A)Wordは普及しているツールではありますが、必ずしも「誰でも持っているツール」という訳でもない点や、スマホで執筆している人、Mac使いでOfficeが入っていない人、など様々なので、B)txtでも提出可、としておく方が良いかと思います。
B)だと普段からガチガチ組んでる人はInDesignとか使ってる人もいるでしょう。私のことだ。
編集後にノンブルを入れる都合で、出来れば主催、編集者がWordからPDFを生成出来ることが望ましいですが、そうでない場合は、編集後、執筆者にノンブルを入れてもらってPDFを再送してもらう、という手段も取れなくはないです。手間がかかるのでオススメは出来ないけど。
C)の外注は、普段マンガ同人誌の人とかだと小説について不得手だったりもするので、小説原稿に明るい人を編集協力依頼出来なかった場合の手段のひとつとして。私もやってるよ。私がやってるよ。
実際アンソロの組版を何回かやってますので、ご相談どうぞ。
どうしてもWordが使えない、かといって外注する予算もない…みたいな場合は、Webツールなどで小説用のPDFを生成することが出来ます。
私のオススメは威沙(Win)、またはWeb版威沙です。
◆小説のレイアウトについて
以前は小説のレイアウトがバラバラのアンソロも多かったのですが、最近はレイアウトを揃える傾向が強いようです。
必須ではないけど、揃っているのはきれいだからね。
揃える場合は、主催側でテンプレートを用意しておくのが最も分かりやすくオススメです。
ところでうちのサイトでもテンプレをご用意してますのでよろしければお使いください。(ニコ!
提出期限(〆切)
印刷所の項でも〆切の話をしましたが、ここで詳しく書きます。
印刷所の入稿〆切を調べます。出てない場合は、発行予定のイベントの規模と現在出ている〆切から予測して「だいたいこれくらい」を決めます。
編集にかかる日数は、主催さん自身の環境、取りまとめ人数などによって変動するかと思いますので、「必ずこれくらいにしろ」とは書きにくいのですが、だいたい1ヵ月以上は見込みましょう。
じゃあ寄稿〆切は入稿〆切の1ヵ月前くらいになるか? というと、もっと前にします。
何らかの事情で、〆切を過ぎて提出する人が必ずと言っていいほどいます。
なので、段階的に〆切を設定します。
一次〆切 ←寄稿者に最初にお伝えするのはこれ
二次〆切 ←〆切を超えそうと言ってきた人にだけお伝えする
最終〆切 ←デッドライン
具体的には3回目に主催したアンソロ、自分含め81名の取りまとめとなりまして、以下のような日程で進めていました。
※私は外仕事をしていませんのでこういう日程でした。なのであまり参考にならないかもしれません。
告知日:2017年10月13日
一次〆切:2018年3月31日
二次〆切:2018年4月15日
入稿日:2018年6月
初頒布:2018年7月1日
ひとりあたりのページ数
ひとりあたりの最大ページ数の目安を決めましょう。
これは参加人数や内容などでガラッと変わってしまうので、ひとくちに何ページくらいがよろしい、とは言いにくい事項です。
しかし、参加する人もどれくらいの規模で描けばいいのか分からない状態で描くのは難しいですから、告知時点で示されているのが望ましいでしょう。
小規模なアンソロだと10~20pくらいOKとかだったりします。
大規模なアンソロだと多くても10p程度にします。
たとえばですよ、こういうことになるのです
A)参加人数が30人だった。
2回目に主催したアンソロです。
ジャンル内人数がそもそも少ないし、どれくらい参加してもらえるか分からないし、全員がページ数上限満タンに描いてくるとは限らないし…と思って、この時は20pを上限にした記憶があります。
描いてくれたらむしろ分厚くなって最高じゃん、という思いもあったので。我は飢えていた。
これは最終的に160pくらいのアンソロになりました。
30名集まったこのアンソロ、ジャンル内で見ればむしろ人数が多い方です。余談。
B)参加人数が81人だった。
これは3回目に主催したアンソロです。
ジャンル内人口が非常に多く、参加人数が80に達した時点で募集を打ち切りました。
打ち切らなかったらもっと行ってた可能性ある。ヤベェ
この時、ひとり10pまでにしました。
例えば、うち20人がイラストだとして、残り60人が全員10p描いてきたら、作品だけで620pになるわけです。
もちろん実際には全員が10p描いたりしないんですが、10p超える人もちょこちょこいまして、最終的に500pの鈍器を生成しました。
余談ですが、小説の人が10pきっちりで出して来られる方が多く、500のうちの半分近くが小説でした。
分冊すれば良かったな~って後で思ったという話。
あと小説の人から口々に「5pじゃ足りない」と言われた話もする。密度がヤバい
ページ数は超えて良いか?
告知しない事項として、目安を「超えても良いか」、「超える場合どの程度超えて良いか」。
これは脳内である程度固めておきましょう。
上限の倍くらいのページ数で送られてきたことが……あります……txtで送られてきたのですが……
さすがに多過ぎるのと、わざわざページ内に収めてくれた人に申し訳ないので、削ってもらいました。
txtの人は……うちのツールでざっくりページ数をカウントしてもらおう…
小説ページ数カウンター
アナログ原稿の可否
上の印刷所の項でも書いた通り、アナログ不可の印刷所や、アナログ混在で追加料金が発生する場合があります。
現在はデータで描いてる人の方が多いと思いますが、アナログで描いている方もまだまだ根強くいらっしゃいます。
特に執筆者を公募する場合、アナログ原稿の可否について聞かれる可能性が非常に高いです。
必ず決めておきましょう。
「アナログ原稿をそのまま印刷所に入稿する」場合、原稿用紙の種類(メーカー)は統一しなくていいかと思いますが、原稿用紙のサイズは統一するよう、印刷所から指定があります。
必ず「原稿用紙のサイズ」の指定はしておきましょう。
(同人誌用を使うのか、投稿用を使うのか、ということですね)
作品内容
ひとくちに「どんな内容」と言っても様々です。
全年齢なのか、成人指定なのか。
メインキャラ、カップリングを指定するか。
作品傾向を指定するか、(イチャイチャとか、シリアスとか)
テーマの有無。(このモチーフを必ず入れる、とか)
あとはNG内容でしょうか。
全年齢でも「何処まで行ったらR-18扱いになるのか?」とかもあります。
特殊性癖なんかも何処まで許容するのか? とか。
別カプの名前出したり、リバっていいのか? とかとか。
印刷所に「表現内容について」の記載があるところもありますので、確認しておくと良いでしょう。
原稿のサポートの有無
主に公募でやろうと思っている人は決めておいた方がいい内容です。
「原稿を作ったことがないが、アンソロに参加してみたい」という方は、います。
「原稿を作ったことがないから、アンソロに参加出来ない」という方も、います。
私自身は、とにかく作品を集めたかったので、原稿の作り方の解説ページを作り、読んでも分からなかったら聞いてね、というスタイルでやっていましたが、このスタイルはハッキリ言ってめちゃめちゃに対応時間を食います。
対応する時間がない、上手く対応出来る自信がない人は、条件として「完全原稿を自分で制作出来る人」を入れておきましょう。
逆に時間があって、とにかく作品をひとつでも多く収録したいのだ、という人は「サポート出来ます」と告知すると、いいでしょう。
なお、サポートすると、アンソロの後、個人誌を出すようになる人がチラホラ出ます。
マジでいます。
推しの本が増えるかもしれないぞ!
memo:原稿の作り方の説明、かなり詳しく書いたものが残っているので、後日記事にテンプレを追加しようかと思っています。
その他
扉を付ける場合など、左ページ始まり、右ページ始まりを固定する場合は、この段階で決めて、告知内容に加えましょう。
仕様としてカラー口絵を入れたい場合、カラーイラストを描く人、描いてもらう人を予め考えておいた方がよろしいかと思います。
公募の場合は、イラスト参加で応募してきた方の中から決めます、というか、基本はそうなる、というか。
執筆者コメントページを入れる場合、告知段階でレイアウトなどが決まっている必要はないですが、決まっている場合は告知内容に加えます。
決まっていない場合は、「後で告知します」などと書いておきましょう。
告知をしよう!
決めること決めたら告知をします。やっと告知だ!
告知には2通りあります。
A)ひろく、全体告知
B)執筆者への声掛け程度の小規模な告知
公募だとAやった後にBで詳細送るみたいな感じになります。
逆に声かけて執筆者決める場合は、Bで詳細送ってある程度決まった後にAで告知、みたいな感じになります。
SNSで告知
広く、アンソロジーについて告知するならば、この方法がベストでしょう。
拡散力の強いTwitterや、Pixivなどの創作物が集まるSNSでの告知はとても有効です。
現在はSNSでの告知をメインにしている人がほとんどだと思います。
Twitterの場合、超小規模なものだと個人アカウントから発信している場合もありますが、多くは専用アカウントを作って発信しています。
個人アカウントだと情報が流れていきますからね……………(私のアカウントを見ながら)
あとクライアントは分けておきましょう…企画アカウントに個人アカウントでふぁぼりつしようとしたこと誤爆してる人結構見ます…(私もやったことある…)
Pixivとかだと専用アカウントを作っている例は少ないので、概ね主催アカウントからの発信になっているかと思います。
但し、アンソロの決めごとはかなり多く、告知した際に画像内に説明を入れることも出来ますが、細かくなってしまいがちなので、たいていは告知サイトをはじめ、何らかの「規定を確認するための場所」を作っている場合がほとんどです。
次項で説明します。
サイトで告知
「サイト」とは書きましたが、きちんとした「Webサイト」を必ず作らなければならない訳ではありません。
お知らせや原稿についての規定を、ぷらいべったーやついぷらに書いている人もいます。
もちろん、超凝った告知サイトを作っている人もいます。
SNSはどうしても情報が流動的なので、このように「色々な情報を確認する場所」はあった方がいいでしょう。
告知サイトは色々な役割を持たせることが出来ます。必須ではないにしろ、作れるとかなり便利であることは間違いないです。
上記の仕様確認ページを置くこともそうですし、
フライヤー(後述)配布者募集をする、
フライヤー配布連絡フォームを置く、
フライヤー配布日程を記載、
執筆者一覧を載せる、
提出フォームを置く、
頒布日程を書く、
サンプルを載せる、
etc.
やれることはいっぱいです。
最近はネットを閲覧する際の使用デバイス、7~8割はスマホだそうです。
なので、スマホで閲覧可能なサイトを作りましょう。
ブログサイトの場合はスマホ対応のスキン・テーマを選ぶと良いでしょう。
サイトを自作する場合は、スマホ対応しましょう。最初からスマホでしか見ないページ構成にしてもいいですし、レスポンシブ対応でPCから見た場合とスマホで見た場合に異なる画面にすることも出来ます。
作ったらスマホで必ずプレビューしておくとなお良し。たまにデザインが崩れてる告知サイトに出くわします…。
自作する場合、HTML/cssを記述して作る以外に、Wix・Jimdoなどのビルダータイプのホームページサービスを利用する方法があります。
WixやJimdoはメールフォームなどの主要なパーツも一通り揃っているので、HTMLに外部パーツを組み込んだりする面倒がない、ようです。
あとR18でも大丈夫だったはず。(一応確認してね)
私はビルダータイプが全く思い通りに作れず投げてしまって、1度も完成まで作れたことがないんだ…
一時期はTumblrテーマの「TOKUSETSU」シリーズが流行ってましたが、最近は見かけないですね。
Tumblrは最近センシティブ画像の規制が超厳しくなったので、R18アンソロの告知用としては多分使えなくなったと思います。
ブログサイトだとfc2ブログやNinjaブログがよく使われてるかなぁ…と思うんですが、いずれも3か月更新しないと広告が大量に表示されるようになる点は注意。
fc2とNinjaは無料鯖でもよく使われてますが、ブログ同様に更新してないと広告の山になるぞ。
私は毎回告知サイトを自作してました。WordPressで。元Web屋の力を見よ。連絡フォームとか、提出フォームとかWordPress上に全部置いてました。でもそういうのってGoogleフォームとかで全然足りるんで、別に凝らなきゃいけないわけではないのだ
イベントで告知
「こういう企画をしています」というチラシ…現在はフライヤーとか呼ばれてますが、そういうのを作って告知する手段も有効です。
ジャンル内の人への告知はもちろんのこと、ジャンル外のスペースに置いてもらうことで、普段そのジャンルを見ていないが、好きな人にも認知してもらうことが出来ます。
実際に配布してくださった方からそういう反応がありましたよ! という報告をいただいてます。
これをやる場合は、具体的にどの程度の数を刷ればいいのか? ということになるのですが…
私が最初に主催した時には、アンソロ主催をなさっていた方に相談したのですが、その際に
「多く刷っておいて、残ったら処分するくらいでいいと思う」
とアドバイスをいただきました。
この「多く」はジャンル規模やどれくらい配布協力いただけるかによって変動すると思いますので、具体的な数字は控えますが、本を刷るよりはコストがかからないものなので、色んな人に知ってもらう為には、フライヤー、オススメです。
どういう内容で作ったか、参考に画像を置いておきますね。
サイズはかなりバラバラです。
ポストカードサイズから、B5/A4などの大きいサイズまで、本当に色々見ました。
でも私が見たもので多かったのはA5かなぁ…。
私は自分の個人誌がA5統一である都合上、一緒に渡すにはB5だと大きかったので、A5以下にしてました。
印刷仕様自体も結構バラバラでした。
1回目:A5トレーシングペーパー
2回目:A52色刷り
3回目:ポストカード
って感じでした。遊んでるな~。
1回目のトレペに印刷したのは、別のアンソロのフライヤーでいいなって思ってパク…パクリました(正直)
インパクト強かったですよ! トレペ刷り!
透けてるーーーーー!!! って言って。
フライヤー刷るのに使われてそうな印刷所(というか自分が使っている)
ちなみに、告知から頒布まで
書くタイミング分からなくてこんなところになってしまったんですけど、私が実際に主催したアンソロの告知から発行までの期間も書いておきますね。
私のは準備・執筆期間長めかな? と思います。
1回目:2014年3月5日告知→2014年10月12日発行
2回目:2015年11月23日告知→2016年10月8日発行
3回目:2017年10月13日告知→2018年7月1日発行
告知してからやること
告知してからもやることは色々あるのでーーす
アンソロの表紙・裏表紙を作る
何ページになるかはもちろん分からないのですが、こだわりが無ければ表1・背表紙・表4とバラバラに作って後でくっつければそれでいいので。
先に作っておく必要はないと言えばないですが、告知に使うならとっとと作っちゃった方がいいと思うんですよね…
私自身は個人誌でも表紙は先派なので、アンソロ作るときには真っ先に表紙作りました。
自分で作れない人は、表紙制作を依頼しておきましょう。
ここは個人誌と同じなので、詳細は省きますね。
ちなみに、ここでタイトル文字を、いわゆる「タイトルロゴ」的なものにしておくと、後述の調整ページにも使えて便利です。
中のページを作る
先に作れるページは全て作っておきます。
- 中扉(表紙のグレー化であることも多い)
- 目次(入れないアンソロもある)
- 扉ページ(無いアンソロが多い。人数分ページが必要になったりとかで)
- 執筆者コメントページ(告知より後に作る人も結構いる)
- 奥付
- 調整ページ
- …etc.
この中の調整ページについて。
編集の都合上、どうしてもページの左右を調整する必要が出てくることと思います。
出てこなかったらラッキー、端から端まで無駄なく推しが出るぜ! ってなるんですけど、調整が必要な前提で作っちゃいます。
調整ページとして作るものは色々考えられますが、1番楽なのはアンソロのタイトルを隅っこに置いただけの簡素なページです。
それ以外だと、イラストページを描いておくとか、140SSみたいな短い文作っとくとか考えられますね。
奥付は基本的に悩む必要がなさそうなページの一つなので、個人誌でも先に作っておく方が楽なページです。
先に作れるものは調整可能な状態で先に作っておいて、後から焦らないようにしておきましょう。
原稿提出方法について考える
オススメはメールフォームでの提出です。
受け取り方法などをやり取りする必要がありますが、提出時に聞いておけば手間がありません。
メールアドレス直通でもいいですが、「これ書いて送ってね」って書いてあっても、メールアドレス直通だと忘れられます。コピペ文作ってあっても忘れられます。
であれば、フォームを作っておくほうが、提出側も分かりやすく確実です。
但し、郵送受け取りの人は個人情報を入力する必要がある為、必ず「送信が暗号化されるツール」を使用しましょう。(と言っても、昨今のメールフォームパーツはたいてい暗号化対応なんですが…)
オススメはGoogleフォームです。Googleアカウントがあれば作れます。HTMLに埋め込みも可能です。
閲覧側も見やすいですが、作る側も分かりやすい、という理由でとってもオススメなのです。
郵送受け取りについて考える
郵送受け取りの場合、原稿提出からアンソロを渡すまでに時間が空くため、突然の引っ越しなどで送り先が変わる、ということも考えられます。
なので、提出時に受け取り先を聞かず、「郵送受け取り」にした人に後から送付先を聞くのもアリでしょう。
いろいろ
やっておくと便利なこととか、心に留めておきたいこととか
メールのテンプレを作る
公募にしろ依頼にしろ、必ず「決まった」やりとりが発生するので、そのための文章テンプレートを用意します。
やりとりする人数が多ければ多いほど、テンプレによって時間を短縮することが出来ます。
公募の場合、応募してきた人への返信文(大半テンプレ化して、メッセージを足せばOK)
依頼の場合、依頼する人への依頼文(必要事項とかの部分はテンプレ化出来る)
原稿提出への折り返しメッセージ文
etc.
管理ファイルを作る
必須ではないのですが、あると便利です。Excelで管理出来ます。
執筆者関連だと、参加者の名前、メールアドレス、Twitterアカウント、提出作品カテゴリ、作品名、ページ数、etc.
告知サイトに執筆者情報を入れる場合、上の入力情報から、自動でサイト掲載用のタグを入れることも出来ます。
フライヤー配布者情報の管理。
金銭部分では印刷所の見積もり比較、アンソロに関する支出の管理や単価・売値計算など。
台割表とか。
全体向け連絡の際は、このファイルからメールアドレスをコピペするだけで簡単に送れます。
メールはBCCで送りましょうね。
公募の際に、応募フォームをGoogleフォームで作っておくと、フォームで送信された内容をGoogleスプレッドシートで読むことも出来ますので、コピペが楽かも。
便利なものはどしどし使おう。
memo:管理ファイル、結構便利なんで、後日配布しようと思ってます。
アンソロを発行しました!
準備、とりまとめ、編集、入稿を経て、ついに! アンソロを発行しました!
おめでとうございます! ぱちぱちぱちぱち!
イベントには売り子さんを
アンソロ頒布に際しては 必ず売り子さんを連れて行きましょう。規模にかかわらず。
っていうのは、アンソロ受け渡しやらなんやらで主催がスペース外に出ている時間が発生し、個人誌出してる時よりもスペースを空けてしまう時間が長くなりがちだからです。
売り子さんがいれば、少なくともスペースを完全に空けてしまうことも少ないでしょう。
イベントの時間は限られています。時間は有効に使おう………(戒め)
アンソロに掲載した作品のその後
いわゆるWeb再録とか、個人誌に寄稿原稿を載せていいかという話ですね。
初頒布から1~2年で掲載OKとする場合もあれば、完売から1~2年で掲載OKとしたりと、アンソロによってまちまちです。
告知時点で要項に記載してある例もあります。
発行後、もしくは再録OKとしたタイミングで、執筆者向けにリマインダーとして告知するのもいいと思います。
おわりに
準備のところが超長かったのはマジで申し訳なかったと思っていますが、書き出してみたら準備段階が本当に長かったと思いました
いや、長くは見えるんですが、実際は説明が長すぎるだけで、サクッと終わる項目もいくつかあります。
本当に、アンソロ作るって、大変ですけど、いいこともいっぱいあるので、
アンソローーーーーーーー!!!!
作ろうなーーーーーーーー!!!!
(雑)
データ配布予定です
途中にmemoとして挟んでましたが、アンソロってもう決めることほぼ決まってるんで、それを入れたデータとか、管理ファイルとか、後で追加しようと思ってます。
ちょっと思い立ったのが遅すぎて準備出来なかった。後日。
よろしければ
今後ともまとめを作っていきたいと思います。
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